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動物病院で行われる検査の話

動物病院で、行われている検査にどのようなものがあるかご存じでしょうか。広い意味で の検査を考えると、我々獣医師が行っている仕事の半分以上が検査になります。たとえば、 体重測定や体温測定は一般身体検査ですし、身体を触ってみるのは触診検査です。狭い意味 では、人間の五感では判らないことを調べるのが検査です。今回は、その狭い意味での検査 について代表的なものをご紹介しましょう。 


■糞便検査                                       
糞便検査は、消化管内寄生虫、たとえば回虫や鈎虫がいないかどうかを検査する虫卵検査 と消化機能検査に分かれます。虫卵検査には直接法と集卵法の二つがあり、消化機能検査は、 対象とする消化液によって違ってきます。一般に糞便検査といえば虫卵検査のことです。直 接法は、読んで字の如くそのまま顕微鏡で検査します。集卵法は、便と虫卵の比重の違いを 利用して卵だけを集めて検査します。  
まだまだ消化管内寄生虫はみられますので定期的な糞便検査を受けることをおすすめしま す。


■尿検査                                     
尿の濃縮具合や、尿に含まれる細胞などによって泌尿器系の物理的状態を把握するととも に、尿の成分の検査によって機能的なものまでを把握する検査です。膀胱炎や膀胱結石には 欠くことの出来ない検査です。


■血液検査                                 
血液の性状を検査することにより、体内の機能的な状態を把握するために行います。この 検査は細胞学的な検査と生化学的な検査に大別されます。前者は血算とも言われ、赤血球や 白血球の数を調べたり、その細胞の年齢を調べることによって身体のどこかに炎症がないか どうかや骨髄は正常に機能しているかどうかなどを調べます。後者は、血液の液体成分に含 まれる物質を定量することによって、身体の中での各臓器の機能的変化や病気を起こしてい る所の特定を行います。たとえば血中尿素窒素(BUN)やクレアチニン量は腎機能の指標 ですし、ALPやALKPは、肝機能の指標です。みなさんご存じのところでは血糖値があ ります。これが高値になると糖尿病の疑いがあります。  

これら血液検査は、なにも病気の時だけ行うものではなく健康診断の一環として行うこと が必要です。健康状態の把握だけではなく、その子その子特有の正常値というものを知って おくことは、何かの時に大きな助けとなります。物言わぬ動物達の体の中の様子を的確に把 握するには血液検査をするしか手はありません。  


■レントゲン検査
レントゲン検査は、体内の物理的状態を視覚的に把握するための検査です。骨に異常はないか、心臓は肥大していないか、腹水や胸水はたまっていないか等の検査です。このように そのままレントゲン撮影を行う検査を単純レントゲン検査といいます。それに対して目的の 臓器にレントゲンを通さない物質や逆に通しやすい物質を入れてから撮影する方法を造影法 といいます。みなさんよくご存じなものにバリウム検査があります。バリウムはレントゲン を通しませんから、バリウムを飲んでからレントゲン検査を行うと、胃や腸の内空の状態や、 バリウムの通過時間を計ることによって消化管の運動状態が判ります。また閉塞場所の断定 には欠くことの出来ない検査です。


■心電図検査
心臓の状態を、電気的に測定する検査法です。レントゲン検査や聴診で心臓に異常が見られたときに、この検査を行うことによって機能的にも問題があるのかないのかを判断します。 聴診で心雑音が聴かれても、心電図検査で以上がなければ、いまはまだ治療の必要はないと 判断できるわけです。
この検査も定期的に行うことをおすすめします。心臓の老化を早く見つけることで食事管 理や運動制限等の対処で、薬を使わなくても維持できることがよくあるからです。 


■フィラリア抗原検査
犬特有の検査です。犬には犬糸状虫感染症という恐ろしい伝染病がありますが、その予防 薬を飲ませるに当たって、今現在犬糸状虫が感染していないことを検査してからでないとい けないので行われる検査です。すでに感染している犬に投薬するとショックを起こすことが あり最悪死に至ることもあるので毎年予防する前に行わなければならない検査です。以前は 犬糸状虫の子虫のミクロフィラリアの検出という検査方法が行われていましたが、単性寄生 の場合や、まだ成熟していない場合に感染しているにもかかわらず陰性の結果が出てしまう ことがありました。抗原検査ですと感染していれば必ず陽性になりますから、最近ではこの 方法が採用されています。  
猫にも犬糸状虫の感染が報告され、その予防薬も発売になっていますが、検査キットは、 まだ発売になっていませ。


■ウィルス検査
この検査は、猫特有の検査です。猫には、ワクチンで予防できない恐ろしい伝染病がいく つかあります。猫エイズウィルスと猫伝染性腹膜炎ウィルスによる疾病です。以前は猫白血 病もこの仲間に入っていましたが、ワクチンが発売になり予防できるようになりました。こ れらのウィルス抗原または抗体を検出する検査です。 猫の場合、健康診断の一環としてこの検査もおすすめしています。特に外に行ってよく喧 嘩をしてくる猫は一度検査してみてください。これらのウィルスは接触感染のみで伝搬しま すから、胎児の時に母親から胎盤感染していない限り、他の猫と接触がなければ感染してい ないはずです。


■その他の検査
よく行われる検査以外に、特殊検査として次のようなものがあります。

1.ホルモン定量検査ホルモン失調による疾病の診断の際に行います。
2.薬物血中濃度検査ある種の薬物は、血中濃度を厳格に管理しなくてはいけないので、その場合に実施します。
   また薬物中毒の際にも行うことがあります。
3.病理組織学検査腫瘍性疾患の場合、悪性か良性の判断のために実施します。
4.CT検査神経学的検査特に中枢性の疾患が疑われるときに実施します。


以上が動物病院で行われている代表的な検査です。これ以外にも細菌学的検査や免疫学的検査も行われますが、専門的な話になりますので今回は省略します。


 
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