ホーム 目の病気について 病院案内 リンク 質問受付 荻窪の遺跡
 

猫の眼科学 ☆角膜損傷☆

今回は、我々が病院で診察していて、猫の目の病気の中で一番多い角膜損傷についてお話ししましょう。


『角膜って何処、何?』

角膜は、目の表面の透明な部分のことです。カメラでいうなら、レンズの前についてい るフィルターです。透明だからといってガラスで出来ているわけではありません。身体を 作っている普通の細胞と同じ物から出来ています。ちょっと難しくなりますが、その細胞 が光の波長より小さくできているので透明に見えるのです。角膜は非常になめらからきれ  いな半球形をしています。少しでもゆがみがあると、見ているものがゆがんでしまいます。 角膜と、レンズ(瞳)の間は、眼房水というきれいな水で満たされていて、その圧力で角 膜は球形を維持しています。もし角膜に穴が空いて眼房水が漏れ出てしまうと目はしわし わに縮んでしまいます。


『角膜損傷てどんな病気?』

角膜損傷は、簡単にいってしまえば角膜のケガです。軽いのはまつげが目に入って、傷 つけてしまったものから、ひどいのは喧嘩で相手の爪が刺さってしまったものまで色々あ ります。角膜の損傷は、肉眼ではほとんど見ることは出来ません。傷があっても、涙で覆われてしまって一見何もないように見えてしまいます。ですから特殊な染色液を点眼して確認します。


『角膜損傷の症状は?』

これが角膜損傷だ、という症状は有りませんが、片目だけ涙が出て目やにもひどいとか、 目を大きく開けられずに薄目を明け見ているとか、また白目の部分が赤くなっていたり結 膜が腫れていたりしたら角膜損傷の可能性大です。両目ともその症状がある場合には鼻炎 から波及した結膜炎のことが多いようです。涙や目やにがいつもより多かったら動物病院 へ診察に行って下さい。


『角膜の傷はどうやって治るの?』

身体の傷は、血液から供給され値る栄養を使って修復されますが、目の表面には血管が ありませんので涙がその代役をします。ただ涙の栄養は血液に比べて少ないので、大きな 傷が出来ると角膜の表面に血管が新生されてきます。これをパンヌスといいます。パンヌ スは、傷を治すということでは有用なのですが、治った後も退縮しませんので目の表面に 赤い血管がいつまでも残ってしまいます。ですからパンヌスが出来ないように治療してやる必要があります。といってゆっくり治療していると傷の修復に結合組織が沢山出てきてしまい、透明でない角膜ができあがってしまいます。ちょうどガラスの傷の修復にセメン を埋め込んだようになってしまい、白い斑痕が残ってしまいます。


『治療法は?』

小さな傷は、点眼が主体になります。感染を起こさないように抗生物質の点眼や、角膜の成分を含んだ点眼薬を使って涙を補ってやります。大きな傷には手術が必要になります。 瞬膜フラップといって、瞬膜(第3眼瞼)と上瞼を縫ってしまってちょうど眼帯をしてい るような状態を作ってやります。このことで涙の乾燥が防げて常に傷が涙で覆われた状態 が出来ます。もっと大きな傷の場合は、角膜そのものを細い糸で縫合したり、結膜の一部 を傷に縫いつけて修復を助けたりもします。                      
ただここで一言いいたいのは、手術しなければ治らないような状態は大部分治療が遅れ たためにそうなってしまっていると言うことです。
おかしいなと思った時にすぐ診察を受けていれば点眼をするだけで治ったものが、1週間程ほっといたために手術しないと治ら ない状態になってしまっているのです。それでも治ればいい方で眼球内の感染を起こして いたりしてひどくなっていると視力の回復は不可能になってしまいます。
ですからおかし いなと思ったらすぐに動物病院に行って下さい。


 
Copyright (c)1996-2007. Masunaga Animal Hospital all right reserved