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超デブ猫になる秘密と過食

さて、今回は肥満についてです。一言で肥満といっても、病的なものからただの食べ過 ぎまで色々ありますし、その程度も千差万別です。肥満の基礎知識から、その原因や肥満 による影響、そして体重管理や減量法についてもページが許す限りお話ししたいと思いま す。   


肥満とその発生率

肥満とは、体重がその猫の適正体重より15%以上増えた状態を言います。つまり適正体重が4kgの猫が4.6kgを超えた状態のことです。ではなぜ15%を超えると肥満というかというと、これを超えた時点から体に悪影響が出始めるからです。              

では、適正体重はどうやって知ることが出来るのでしょうか。1匹1匹の適正体重を知 ることはなかなか難しいことですが、通常は、成熟してから1年以内の(避妊、去勢手術を実施した場合はそれまでの間)体重を適正体重としています。もし今1歳前後の猫を飼 われている場合は、今の体重を覚えておいて下さい。一般的には、健康な家猫の非肥満時の体重は3.5kg〜4.5kgで、ほとんど例外はありません。体格の大きい短毛の家猫の中には、これより若干重いものもありますが、普通の家猫で5.5kgを超えたら、これは肥満とみていいでしょう。 


■肥満の原因

食べ過ぎ: 
高栄養のペットフードを必要以上に食べていたり、おやつなどの間食が多い のが原因です。肥満の一番の原因です。

運動不足: 
老齢期に入って運動量が減っているのに若いときと同じ量の食事をしている ことに原因します。

去勢・避妊手術:
去勢手術や避妊手術を実施すると、発情のストレスやまた徘徊が無く なることによる運動量の減少にり、消費カロリーが経ることに起因します。

病気(内分泌疾患): 
甲状腺機能低下症、クッシング症候群、高脂血症等により肥満が起 こります。ただ猫では希です。 

肥満の原因は、至って単純です。食事で摂取するカロリー量が、消費量を上回ると肥満に なります。摂取するカロリーが消費するカロリーを8kcalほど上回るだけで、1g体重が増加します。必要カロリーのわずか1%多い食事を毎日摂取しているだけで、老齢期に入る前に25%以上の体重超過となってしまいます。ですから日頃から体重測定をすることによって適正な食事の量を見つけておいて下さい。                        

長毛の猫の飼い主の方で、「太らせていると毛艶がいいの」とおっしゃる方がいますが、それは、餌の質がその子に合っていないからそうなるのです。毛艶をよくしようと思ったら、不飽和脂肪酸、ビタミンや亜鉛などの微量元素が適正に含まれる必要があります。粗悪なフードにはそれらが少量しか含まれていませんから、必要量摂取しようと思ったら量を多く食べるしかなくなります。毛艶がよくなる変わりにカロリーの摂取過多による肥満も起こしてし まいます。そのような子には、長毛種用の餌を与えるべきです。いわゆる高級FOODといわれ いてるものです。「そんなものあげてたら破産しちゃうは」と思われるかもしれませんが、 うまく移行できれば、一回に食べる量が激減しますから、結局は安くつくことの方が多くなります。またその手のFOODはそのほかの部分でも品質がいいですから食事に由来する疾病が 減りますから医療費の面でも得します。私の今までの経験から、よいFOODを食べている子は それこそ風邪もひきません。ホントです。  


■肥満の影響

先にも述べましたように肥満は健康を損ない、色々な病気になりやすくさせてしまいます。 15%の体重増加で体に悪影響が出てきます。
ではどんな病気になりやすいのでしょうか。主な病気を列挙してみます。        

糖尿病、肝臓病(脂肪肝)、便秘など。
                     
腫瘍(癌)など (約50%の発生率増加)。
                      
バイ菌やウィルスに弱くなり、風邪を引きやすくなり、傷も治りにくくなる。
    
皮膚病になりやすくなる。
                             
雌の場合、難産やいわゆる生理不順(発情周期の乱れ)の原因になる。
       
手術における麻酔の危険率が増す。 
                      
雄猫の場合FUS(猫泌尿器症候群)になにりやすい。                 

肥満になると、それだけ脂肪組織が必要以上に多くなる訳ですから、当然心臓はその脂肪組織のためにも血液を循環させなくてはいけませんからオーバーワークになってしまいます。  
脂肪1kg増えると血管は細いのも含めて3000m延長されたことになります。心臓は疲れてしま います。また皮下脂肪も増えますから、皮膚への栄養血管にも負担がかかり十分に栄養をいきわたせなくなり、皮膚病になりやすくなったり、傷の治りが悪くなったりします。いいことはなにもありません。


■家庭での注意点

まず第一にご家庭のネコちゃんが肥満かどうかを知ることです。
            
1.まず理想体重を知る。先程も書きましたがこれは成長期から1年前後の体重が目安に なります。
2.肋骨(胸)を触ってみて、肋骨がすぐに判らないぐらい皮下脂肪がついていたら、そ れは肥満です。
3.おなかのしたにたるみがあったり、おなかがぽっこり出ていたりしたら、それも肥満です。

もし判らなければ、動物病院で相談してみてください。                    
見た目全然太っていないのですが、ひょんなことから腹部のレントゲン検査をしてみたら思っ た以上に体脂肪が付いていたなんてこともあります。
もともとが細い体質の子が少々太ってもなかなか判らないことがあります。ですから若い頃(生後半年から1年ぐらい、大型犬だと2 年ぐらい)を思い出してみてください。写真なんかがあるといいのですが。        


予防と減量

 肥満の予防と減量。これは人間同様とっても難しいことです。太らせる方が1万倍楽とはよ く言ったものです。ご家庭のネコちゃんに”ゴハンほしいよー”と切ない瞳で見つめられたら たいていの飼い主さんは、おいしいご食事を与えてしまうでしょう。           

でもその一瞬の愛情!?が長い目で見ると、結果的に動物達を苦しめる原因となってしまうの です。動物達は自分では冷蔵庫は開けません(中にはいるようですが)。でから体重管理は飼 い主さん次第と言うことです。                               

予防と減量は飼い主さんの協力なしでは決してうまくいきません。そのことを認識した上で、 ワンちゃん、ネコちゃんの健康を飼い主さん自身で維持してやってください。現在では減量食 や肥満予防食などのFOODも沢山あります。絶食などさせなくても体重調整は出来るのです。
減量の要点を挙げておきます。                             

1.あわてないこと。半年1年かけて理想体重に近づけてください。1日に一粒ずつドライフードを減らす感覚でやってください。急に食事量をへらすと空腹感が強く出ます ので”ゴハンー”の意志表示が強くなります。またあまり急に食事量をへらすと飢餓 状態になって色々な悪影響が出てきますので注意してください。(カルシウム不足に より骨から脱灰が起こり、骨がもろくなったりします)             

2.良質のFOODを使うこと。量を減らしますからビタミンなどの微量に含まれるものが不足しないようにする必要があります。                   
3.運動量の管理。”食事を減らしているのだから運動量もへらさなきゃ”これじゃ何年やっても減量できません。
かえって運動量は増やしてください。運動量を増やすことによって満腹中枢が刺激されて少ない量の食事でも満腹感が得られるようになります。また消化管運動も活発になりきちっと消化吸収が出来るようになります。     

4.一般食でうまくいかない場合には、減量食を使います。これは乾燥重量の約25%が消化できない繊維質からなっていますので、食べた量の4分の1は嵩だけというわ です。ただし便の量は増えます。このFOODを使って上記の1〜3のことを実行して いただければ間違いなく減量できるはずです。

減量の注意事項ですが、成長期には減量は絶対にしないでください。特に減量食は禁忌です。 成長不良をおこし将来色々な病気の原因になってしまいます。そもそも成長期には肥満はない と思っていてください。人間のように非常にゆっくり成長する動物ならいざしらず犬や猫のよ うに急速に成長する動物では意図的に肥満にしようと思わない限りなりません。少々体重オー バーしているなら餌の量をしばらく一定にするだけで、成長が早いですからあっという間に適 正になってしまいます。成長期には、幼犬や幼猫用のFOODを与えてしっかり成長させてあげてください。どうしても体重オーバーのままでも、減量は、成長期が終わってからゆっくりとおこなってください。                                   

減量も、一歩間違えれば大変なことになります。判らないことや心配な場合には、動物病院で相談してください。


 
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