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■ご存じですか? <新しい医療情報>

今回は、趣を変えて新しい医療情報についてです。獣医医療も日進月歩で進んでいます が、ここ数年の動きについてご紹介しましょう。


猫白血病ワクチン

待望の、猫白血病(FeLV)ウィルスに対する、遺伝子組み替え型のワクチンが発売にな りました。今までは、予防の方法がなく、感染予防には他の猫との接触をさけるだけとい う消極的方法しかありませんでしたが、やっとワクチンが発売になり積極的に予防対策が とれるようになりました。今回発売になったワクチンは、欧米ではすでに使用されており、その効果、安全性ともに高いことが実証されていますので、安心して接種することができると思います。 猫白血病ウィルスに、感染すると様々な症状を呈します。代表的なものが白血病です。その他に腎不全になったり、肝障害を発症したりします。一つ言えることは、一度発症してしまうと完治は不可能ということです。感染して3年以内に30%以上の猫が死に至っ ているという報告がありますしまた、発病して3年後の生存率は2割以下ともいわれてい ます。そしてこのウィルスは一度体内に入り込むと、体内から消えることはありません。 感染する前に、予防するしかありません。このウィルスの感染経路は、接触感染だけです。ですから室内のみの飼育で、他の猫と の接触の無い猫は感染していないはずですが、実際は数%の感染率が報告されています。 これは、室内飼育になる前に外にいたとがあるとか、同居猫が外にも行っているとか、あ と出産の時に親から垂直感染しとかが考えられます。室内飼育だからといって100%安全な わけではないのです。 まずは、感染の有無を調べ下さい。残念ながら、すでに感染してしまっている猫に接種 しても効果はありません。感染をチェックして、まだ感染していないことが確認できたな ら、直ちにワクチン接種を実施して下さい。

飲むノミ薬
 
ノミ退治の新兵器です。今までのノミ退治に対する薬は、ノミ取り首輪やノミ取り粉等 ほとんどが成虫に対するもので、それらを用いてもノミを完全に退治するには大変な思い をしたものです。一昨年発売になったこの飲むノミ薬は、全く新しい発想の薬で、月に一 度投与するだけで、卵から成虫への成長を妨害してノミの繁殖を抑えます。 ノミは、体長2〜3mmで、その300倍もの跳躍力を持ち、雌の成虫は1日に20個、一生の 間に400個ほどの卵を生みます。そしてその繁殖場所は、猫たちが休む場所です。飼い猫の 場合は、家の中ということになります。最初のノミの寄生はせいぜい多くても2〜3匹とい われています。ノミが沢山ついたとわかるのは、2〜3代繁殖が進んだときで、そのときに は家の中には、卵や幼虫がうじゃうじゃいることになります。こうなってしまっては、成虫 用の駆虫薬を使っても次から次と羽化してきますから、完全に駆除するのは難しくなります。 卵は小さくて見つけにくいし、幼虫は光を嫌って絨毯や畳の奥に潜り込みますし、蛹は粘着 性をもっていますのでゴミなどと一緒に絨毯などに張り付いていますから、掃除機で一生懸 命吸っても完全に取りきるのは不可能です。この薬を投与していれば、生まれた卵は成虫ま で成長せずに死滅しますから、ノミは増えません。今までのノミ取り首輪等と併用すること で、ノミを近づけないようにしておいて、もしついてしまっても繁殖させないことによって ノミに悩まされることもなくなります。ノミアレルギーを発症してしまうと完治は、難しい ものがありますし、ノミは条虫の中間宿主ですから感染源にもなります。今年は、のみを近 づけない、繁殖させないで快適に生活させてあげてください。

ネコインターフェロン
 
今までウィルス疾患に対する効果的な治療薬がなかったのですが、数年前に発売になった 猫インターフェロンのおかげで積極的に治療ができるようになりました。高率で死に至って いたパルポウィルス感染症も、発症初期であればほぼ治療できるようになりました。 人でも、ウィルス性肝炎の特効薬として新聞等を賑わせたことがある薬です。副作用に、 人で鬱状態になっるというのがありますが猫ではないようです。薬理作用は、色々あります が、基本的に免疫機能を活発化させ、生体の防御力を増強させます。適応疾患も、カリシウィ ルス感染症に始まり、パルボウィルス感染症やその他のウイルス疾患への適応が順次広がっ ていますし、ストレス時の免疫能低下の防止など予防効果もわかってきています。将来的に 楽しみな薬品の一つです。

フィラリア予防薬
 
最近になって、犬の心臓に寄生するフィラリアが猫にもある程度の率で感染していること がわかってきました。昔から非常に珍しい例として知られてはいましたが、予防するほどで はないと思われてきましたが、研究者によっては、1〜4%の感染率を報告しています。犬 に比べると終宿主でない猫は感染率は低いですが、感染してからの症状は、比べようもなく 猫の方がひどくなり、感染早期に死に至ることも多いようです。このことが猫のフィラリア 症を軽視してきた原因でもあります。突然元気食欲がなくなり時には呼吸器症状を呈し、治 療してもあっという間に死に至ってしまうのです。フィラリアの感染の兆候はなにも見られ ないのが普通です。解剖でもしない限りフィラリアが原因の疾患とはわかりません。今まで 急性肺炎や、原因不明の急性疾患として扱われてきたもののうちいくつかがフィラリア感染 症だったのかもしれません。このフィラリアの予防薬が昨年発売になりました。犬用のもの を、猫に適したものに改良したものです。感染予防率は100%です。中間宿主の蚊が沢山いた り、まわりの犬にフィラリアが多く感染している地域の方は注意が必要です。

なんだか、薬屋さんの宣伝みたいになってしまいましたので、ここからは治療技術等につ いて簡単にご紹介しましょう。

歯科診療  
以前の歯科診療は、歯石除去をしてある程度進行してしまった齲歯や歯周病に対しては抜 歯する事で対処してきましたが、最近では、歯石除去は当然ですが、積極的に初期の病態の ものにも対処していくようになりました。虫歯の処置や歯根炎処置はあたりまえで、矯正歯 科を行っている病院もありますし、人の歯医者さんにあるような治療機器を一通り揃えている病院もあります。ニャーと鳴くと金歯がきらり。あながち漫画の世界のことではありませ ん。

眼科診療
 
眼科治療も、歯科と同様ごく一部の病院を除いて、外傷等の治療しか行われてきませんで したが、最近では、白内障や緑内障といった目本来の病気に対して積極的に治療していくよ うになりつつあります。手術設備を揃えた病院はまだまだ少ないですが、一般の病院での診 断技術が向上したことによって、的確な診断と必要な処置のできる病院の紹介がスムーズで行われるようになってきています。コンタクトをはめた猫もいますよ。ただし治療用のもの ですが。

輸血療法
これはもう新しいというよりは、一般的な治療法になりました。まもなく民間ではありま すが、動物の血液センターが動き始めます。血液型も院内で簡便に調べられるようになって います。輸血療法の一分野として、血漿輸血や、免疫グロブリン療法も始まっています。重 度の感染症などで、抗生物質だけでは効果的な治療ができない場合に使用します。

臓器移植
 
今話題の臓器移植ですが、動物医療においても腎移植にしろ骨髄移植にしろ、技術的には すでに可能なレベルにきています。事実ある大学病院では、実験的ではありますが、一般の 方のペットに対して腎移植を実施して成功させた経緯があります。ただ問題が医療費がとても高額になってしまうことと、倫理的に臓器提供をどうするかというところにあります。今までの外科手術にかかっていた費用とは一桁も二桁も違ってきますし、しゃべれない猫から臓器提供の承諾は取りようもないからです。この分野の一般への普及は足踏み状態です。


 
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